住めば都となるだろうか – 筑波大学学生宿舎

筑波大学平砂学生宿舎

この記事は、旧ブログの記事を改訂し、写真を増やしたもの。

近年、キャンパス内にカスミ等の商業施設が出来たりと、新たな風景が見られる筑波大学だが、学生宿舎の一角は、また違った時間が流れているようだ。

筑波大学に入学が決まると、多くの学生が学生宿舎に入居する(今時はどうなのだろう)。学生宿舎は大学の南に位置する平砂、追越地区とキャンパスを挟んで北側の一の矢地区に立ち並んでいる。

この学生宿舎だが、おそらく1970年代に建てられたものが多いと思う。私が入居していた1990年頃でもすでに古びた匂いを漂わせていた。

筑波大学平砂学生宿舎
リニューアル後の平砂学生宿舎 (2011年撮影)

ここ十数年、アスベストや耐震基準の問題をクリアするため、徐々にリニューアル(といっても建て替えではない)が進み、一部宿舎は現代的でカラフルな外観へと変化しつつある。

しかし、宿舎敷地内を共用棟のある中心部からちょっとだけ外れのほうに進むと、時代感覚は前世紀へと遡ってゆく。学生宿舎の真骨頂は、これら俗にスラムと呼ばれる薄汚れた建物群にある。機能的なのかどうなのかよくわからないWが多重に続く変形構造が時代を感じさせる。周囲は鬱蒼とした雑木に囲まれている。一時、ノルウェーの刑務所のほうがマシ、と言われたこともあるこの宿舎の実態をハッキリと感じるのも、このスラムである。

平砂スラム
通称スラム、平砂学生宿舎 (2011年撮影)

私がかつて住んでいたのも、このスラムの一つであり、五角形の部屋だった。正五角形ではなく、長方形の短辺の一つが突き出して三角を作っていて、その三角部の連続が外観上の特徴となって表れているのである。今思うと、どうしてあの狭い空間で2年近く過ごせたのか不思議な気もするが、それなりに住みこなせていたのも事実だ。

平砂スラム
かつて私も住んでいた平砂8号棟 (2009年撮影)

2019年現在、宿舎エリアがどのようになっているか、確認はしていない。遠目から眺めるには、まだまだ令和ではなく、昭和の香りが残っているように感じるのだが。

平砂学生宿舎と桜と猫
平砂学生宿舎と桜と猫 (2009年撮影)