椎木広

椎木 広 – SHIIKI Hiroshi
フォトグラファー (photographer)

偶然と必然が織り重なって写真の世界を彷徨っている。

活動

活動にはいくつかのレイヤーがある。大別すれば作品と仕事という2つのレイヤーであるが、さらにそれぞれの内部において領域や性格の異なる複数のレイヤーが表れている。

作品

作品は自身の動機やテーマを契機とした写真活動によるものである。基調となっているのが、世界やイメージに向けられたファンダメンタルな関心から生じる作品制作である。これは、テーマとしてはアブストラクトな傾向を帯びたものである。

その一方で、より具体性に基づいたテーマの写真も撮っている。これは、記録性や審美性といった写真のわかりやすい機能性をある程度踏襲した姿勢によるものであり、その一部は仕事にも接続する領域を形成している。厳密にはその全てが作品というわけではなく、かといって仕事ともいえない緩衝的なレイヤーを形成している。

仕事

写真撮影から関連する制作まで、椎木広写真事務所として依頼に応えている。
単なるパッケージ化された撮影作業ではなく、仕事であっても前提となるテーマや世界観を重要視し、一つ一つの仕事にじっくりと取り組むことを大切に考えている。そういう意味で、着地点に相違があるとはいえ作品制作とも通じるレイヤー構造を持つといえる。
領域としては建築写真(建築作品の撮影、建築家・設計者のポートフォリオ=作品集となる撮影)をメインとしているが、建築以外の撮影依頼にも対応している。

略歴 – biography

1969 福岡県北九州市生まれ
1988 – 1994 筑波大学比較文化学類
1994 某社就職 (但し非写真業界)
《この頃から独自に写真を始める》
1997 写真家・齋藤さだむ氏との邂逅
2001 某社を退職しフリーランスとして独立
2005 『つくば建築フォトファイル』一部撮影
現在 茨城県つくば市を拠点に活動中

写真展 – exhibition

2003 Dust Flowers (写真2003展:茨城県つくば美術館) *グループ展
2005 メランコリーな行方 (Contemporary Photo Gallery: 東京) *二人展 (with 齋藤さだむ)
2008 認識における諸相 [ANBD2008] (ソウル、札幌、台南、天津) *グループ展
2008 時の漂着 (オリンパスギャラリー東京・大阪)
2010 Drone (Roonee 247 photography : 東京)
2021 Correlation (Gallery Y:つくば)

表紙 – cover

ページの冒頭にあるイラストは、イラストレーターの横山拓彦氏による描き下ろしで、色合いの調整のみ私が手を加えさせていただいた。地球崩壊後の世界、最後に生き残った写真家が大判カメラで(!?)撮影を続ける姿が、ノスタルジックなSF調に描かれている。